(1999-03-01)
3人の青年のお話
【1日シュマン・グレニエ/モーリシャス】
海岸の波の音(RealPlayer G2)
ホテル前の風景(RealPlayer G2)
アイスクリーム屋さん(左下写真)の音楽(WAVEデータ)…ジングルベルです。
とんでもないところに来てしまった(このページの写真参照)。都市部から離れすぎており、モーリシャス国内の最新情報が全く手に入らない。やむなく、ここでの三日間の滞在を読書にあてることにした。しかし居心地は抜群である。まるで、心を読まれているのではないかと思うほど、こちらが欲しいものを用意してくれる。「話し相手」というサービスも、その一つである。
印象に残った人達を何人か紹介する。
部屋が暗いのでホテル内のレストランで本を読んでいると、ウェイターをしている同じ位の年の青年に声をかけられた。「僕等従業員は全てのお客さんがどういう人かを知っているべきなんだ。」と、彼は言う。しかし、本当は話し相手を欲しそうにしていた筆者に対する心配りでもあるようだ。これこそがホスピタリティというものだろう。
彼はホテルの総支配人を夢見ている。6月からは再び大学に入ってホテル学を学ぶそうだ。「ここのホテルは部屋がそれほど多くないよね。だから従業員も多くなくてすむ。すると管理が簡単なんだ。全てが自分の目の届く範囲にあるだろ?でも五つ星は違う。
部屋が何百もあるんだ。当然管理するのもその分難しくなる。だから勉強したいんだ。俺は行く行くは五つ星ホテルの総支配人になるのさ。」力強く語ってくれた。彼は祖父が中国系であり、今はカトリックだそうだ。そのためか、神にたいして独特の見方を持っている。
「神は一人でなくても良いんだよ。仏陀もキリストも神様ってことで良いじゃないか。」
ホテルの従業員の中には、日本へ留学したいと言う人も居た。24歳のセクレタリーマネージャーである。「エンジニアリングを学んで、車の設計士になりたいんだ。日本の大学で学びたいんだけど、日本語が話せなくちゃだめだろ?モーリシャスでどうやったら日本語を勉強できるかな。」
どなたか日本語のテキストを通信販売していたり、モーリシャスに行ってみたいという日本語の教師の方っていないんでしょうか。
彼は柔道を少しかじっている。「外国人を柔道でいれてくれる大学ってないか?入った後に機械工学に転向するんだ。」無論冗談である。
彼はお金に対して強いポリシーを持っている。「お金は必要十分で良いんだ。うちの首相とかは何であんなにお金に執着するのか分からないよ。
イギリスに銀行口座まで持ってさ〜。必要以上持っていたって、どう使えばいいか考えなきゃいけなくなるだけだろ。しまいには、『どう使えばいいですか?』なんて人に尋ねるはめになる。食っていくため、そして進歩するための元手さえあればいいんじゃん?」
夢について語ってくれたのは、ホテルの人達だけでない。同じく22歳と若いタクシーの運転手で、次の滞在先であるカトル・ボルヌまで連れていってくれたお茶目な青年も、大きな野望を持っているようだ。「俺は将来貿易をやるよ。近くの国から音楽カセットを中心に輸入するんだ。モーリシャスの方が値が高いから、儲かるんだぞ。とにかく、自分のビジネスを持ちたいんだ。椅子にふんぞり返って携帯一本で仕事をするようなお偉いさんになりたいのさ。」モーリシャスでは、日本よりもずっと、自分で経営することに対する憧れが強いそう。
彼は4カ国語のカード型電子辞書を持っていた。「ドイツ人の友達にもらったんだ。外国にいっぱい友達がいるんだぞ。600ドルもするからな、自分じゃ買えないよ。休憩中にはこれを使ってドイツ語の勉強をしているんだ。今年はヨーロッパに行って商売の計画を練るんだ。」さっきのホテルはドイツ人向けの滞在型リゾートホテルなのだ。そこでお客さんを拾うためである。そして、リピーター獲得には話術が欠かせないのだ。勉強熱心だ。
途中、彼の携帯に電話がかかってきた。彼女の家族が、首都ポートルイスまで送って欲しいと頼んできたらしい。「お客さんを乗せているときに限ってこんな電話がくるんだ。まったく人生ってやつは!悪いけど、途中で拾ってってもいいかな?」彼は未来のお義父さんに頭が上がらない。モーリシャスにも似たような苦労があるらしい。
彼は最後に手書きの名刺をくれた。「おまえがモーリシャスでビジネスをやるようなら、一緒に組もうな。」
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